2012年10月13日土曜日

3rd United Asian Debating Championship (UADC)

こんにちは!みきです。
今回は5月の23日~31日にマレーシアで開催されたUnited Asian Debating Championship (UADC)の報告です。

今年で3回目になるアジアの国際大会で、毎年レベルの高いチームが大集合する大会です。

ICUからは2チーム参加しました。
 
ICU A
Kohei Arakawa, Shunichi Arai, Takuto Kobayashi
 
 
 
ICU B
Ayane Nomura, Hirohito Asai, Marina Nakamura
 
 

また今回、KDSの岡くんがジャッジとして参加してくれました。助かりました。ありがとうございました!

結果は、

ICU AがEFL Semi Finalist!!!

個人でも
4th Best EFL Speaker: Kohei Arakawa
5th Best EFL Speaker: Takuto Kobayashi

と、2名が受賞しました。
おめでとうございます!

PPさんはやはり、さすがですねー!
私的には同期のたくとの活躍がすごく嬉しかったです。
というわけで、今回はmjkc、TKTこと、小林卓人に感想文を書いてもらいました!

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こんにちは。TKTです。
初の海外大会出場ということで、感想文を書く機会をいただきました。
そして3か月以上ものあいだ、感想文書くのをさぼり続けました。ごめんなさい。

さて!UADCについてですが、大まかに分けて、
1.初の海外大会
2.手ごたえ
3.今後の課題
4.その他ちょっとした感想
こんな感じの事を書いてみたいと思います。
「感想とはいえ、DebaterらしくAllocationしちゃいます。えへへ」なんてのは使い古された常套句ですのでそこを強調するつもりはありませんが、DebaterらしくAllocationしちゃいました。えへへ。


1.初の海外大会
まぁ、僕にとってUADCの意義はこれに尽きると言えるでしょう。

昨今「海外大会に挑戦しないとディベートの本当の面白さ、恐ろしさは実感できない」と先輩、OB誰もが口にしています。ある先輩は「国内だとどうしても勝てちゃうんだよね。どうしても勝てないディベートは国外でしかできない。それが面白い」とおっしゃっていました。
MDOに参加した同期までもが「海外大会は国内とは全然違う」と言い出した一年の終盤、ICUTが開催された3月ごろから、僕も「そろそろ海外のディベートに触れてみる時期じゃないか」と思い始めていました。

そして5月。春Tという国内最大の大会を終えたばかりという時期に、「ディベーターとしての視野を広げるための最大の機会は、国外にあるはず!」そんな熱い気持ちでマレーシアに飛び立ったわけです。

自分自身で体験した海外大会は、たしかに、国内の大会とは全く違う感触でした。

いちばん印象に残ったのは、「日本のディベーターと他国のディベーターとでは、考え方が根本的に違うことがある」ということです。
「医療行為は神聖なのだからprofit-seekingに使っちゃいけない」なんて、国内では聞けませんよ、マジで。
それが良いアーギュメントかどうかは別にして、とにかく多様な考え方、コンテクスト、ロジック、インパクトに出会えました。そしてそんなアーギュメントを前に混乱していたらいつの間にか負けていた、なんてことまであるのです。
海外大会、すげえ。


2.手ごたえ
まぁ、そんなこんなで国内大会とは全然違う印象を受けたUADCでしたが、
手ごたえ自体は悪くない、というか、最終的にはかなり良かったです。

初日のラウンドではまだ海外勢のディベートのスタイルについていけず、あたふたしていました。件の「医療行為の神聖」アーギュメントを意味不明な英語でまくしたてるインドのチームを相手にして、「あいつら何の話をしてるんですか」とパートナー(しゅんいち、PPさん)に終始聞き続ける始末。パートナー二人も「いやー、わかんない」だそうで。
ラウンド終了直後に「まぁ、相手意味不明だったし大丈夫っしょー」とか言っていたら、ジャッジテストで高得点をとっていたらしいチェアに、あんたたちの負けよ、と。
「これが海外…!」という実感と、思い通りのスピーチができない自分に対する若干の苛立ちを残して終わった初日。その時点では2ラウンド中1勝。白星を一つ死守することはできたものの、ショックは大きかったです。

二日目。
調子自体は初日よりもはるかに良かったものの、結果はついてきませんでした。
第3ラウンドを良い手ごたえで抜けたと思いきや、続く第4ラウンドではIIUMが立ちはだかり、健闘空しく敗北。2日目最終戦となる第5ラウンドでもまた、ぼんやりとしたコンテクストをぶつけてきた相手に翻弄され、勝てるはずのラウンドで勝ちきれず、惜敗。
結局、5ラウンド中2勝という微妙な戦績のまま、二日目を終えることになりました。
半ば絶望的な気持ちで部屋にもどったものです。

そして迎えた三日目。
僕はORにて「誰とも話さない」と宣言し、眼をギラギラさせて座り込んでいました。
パートナー二人もさすがに緊張感を漂わせており、ここが正念場、という感じでした。
ただ、二日目までの微妙な成績にもかかわらず、割とやる気で満ち溢れてたと思います。
思えば二日目は、結果こそよくなかったものの、自分なりのディベートができるようになりつつある、という感触だけはあったのです。
チーム全体のまとまりも序盤より遥かに強くなっていたように思いました。

根拠があるのかないのかわからないような自信を持って臨んだ三日目。
結果は全勝でした。
5ラウンド中2勝という危うい成績から、8ラウンド中5勝という、EFLにしてはかなり良い成績まで跳ね上がりました。
CHULA Bを相手に戦った最終戦は運の要素もかなり強かったと思いますが、ともあれ5勝、そしてEFLブレイク。
個人的には、ここでようやく本調子が出たのか、もしくは背水の陣だからこそ奇跡的にハマるスピーチができたのかはわかりませんが、三日目の感触は最高でした。




その後、EFL Semiにて敗北。
Plea-bargainingの定義をしくってラウンドをごちゃらせた相手のせいなのか、
もしくはそれをぐちぐち指摘しただけで勝てると思い、油断した自分らのせいなのか、
それはわかりませんが、とにかく僕の初の海外大会はEFL Semi Finalistという成績に落ち着きました。

なかなか、良い手ごたえで終えられたと思います。


3.課題
長くなってきたんで簡潔にいこうと思いますが、いくつか課題点は見つかりました。

その1。
大会ではすぐに落ち着いて自分の本調子を引き出し、それを保つこと。
落ち着いていればリフュートなんていくらでも思いつきますし、相手のアーギュメントを考える余裕だって生まれますし、スピーチ中にちょっとした冗談を言う余裕も生まれるのです。僕は生産性のない冗談ばかり言ってましたが。
この「落ち着いて調子を引き出す」こと自体が、練習と経験を必要とします。
だからこそ、普段から気を抜かずに練習しないといけないし、大会には積極的に参加するべきなんだと思います。

その2。
頭を柔らかく。
素晴らしいアーギュメントであれ、ダメダメなアーギュメントであれ、新しいアーギュメントを聞いたとき、思考が止まるディベーターはたくさんいると思います。相手が何を言っているのかを理解し、咀嚼し、反駁するためには、頭をやわくやわくすることが大事です。ある意味、この世に「自明に間違ったアーギュメント」なんてものはありません。あるアーギュメントを「間違い」にするためには、自分がそれに応答しないといけません。応答するためには、それを理解しないといけません。理解するには、「医療行為が神聖とか意味不明じゃね」と決めつける四角い頭ではダメなんです。丸い頭にしないと。

まぁ、今でも「医療行為が神聖」は意味不明ですけど。人は学ばない生き物ですね。

受賞したPPさんとたくと

その3。
ビビらず、勝てる気で行くこと。

たぶん、海外大会は、どれだけ経験を積んでも「恐れ」から始まるものだと思います。
何か聞いたことのないようなモーションが出ないか、めちゃくちゃ強い海外ディベーターと当たらないか、変なジャッジに変なvoteをもらわないか…
そんな恐れは多分、一生かかっても払拭できません。残念ながら。

でも考えてみたら、ディベートなんていつでもそうなんです。
何度もプレパ練しても、いざ大会で出題されるとどうにもアイデアが出なくなるモーションがあります。
普段ぜんぜん名前を聞かないような無名のディベーターが、リフュート不能の最強アーギュメントを突然ぶつけてくることもあります。
レトリックひとつで印象が変わり、思いがけないvoteを出すジャッジもいます。

ディベートは根本的にダイナミックなものです。
むしろ、そうでなければ面白くありません。
「ban gunのoppはself-defenceと言うだけでまず勝てちゃう」なんて決まりがあったら、つまんないでしょう。Ban gunのgovで勝つということは、そんな決まりをぶち壊すべく戦うということです。変な例ですが。

大会、特に海外大会は、そんなディベートのダイナミズムを実感させてくれます。
そこで楽しくディベートするには、ビビるのはそこそこに、とっとと頭を働かせるのが大事です。
「海外の大会、海外ディベーターはヤバい」なんて恐れ、もとい「決まり」は、ぶち壊すべきです。
勝つ気で行きましょう。
これが結構、精神的には大変なことでしょうけど。

恐れに押し潰されるべからず、そんな教訓をUADCで発見することができました。
説教じみた言い回しになってしまいましたが、僕自身の反省であるとともに、これは皆さんに対してのメッセージでもあります。
要は、がんばりましょう、ということです。

以上3点が、課題点といえるんじゃないかな、と思います。
ぜんぜん短くまとまらなかった上に偉そうに説教を始める始末で申し訳ありませんが、
2時間以上かけて結構マジメに書きました。
大学の授業のレポートよりは心がこもっていると思います。


4.その他感想
クソマジメな調子で書いてきましたが、少しは気の抜けた感想もあります。

その1、マレーシアやべえ!!
日本がもはや先進国(笑)に見えてくるほど洗練された、高速鉄道!
全ての飲食店でまず間違いなくメニューに載っているマレーシア国民の命の源(?)、MILO!
そしてUADCコミッティーが膨大な支出を惜しまずリザーブしたであろう冷房ガンガンの高級ホテル、Sunway Putra!
ディベート以外でも素晴らしいマレーシアライフを送ることができました。
暑かったけど。

その2、日本勢のあたたかさ!!
実はUADC期間中の5月下旬、僕の誕生日があったのです。
今や海外大会経験者の日本人なら誰もが知っているであろうLSEのアベルと色々ディベートの相談事をしていたところ、突然のサプライズ。
僕の表情は(;`◎ω◎´)→(*´▽`)こんな感じに変化していきました。
恥ずかしかったけど嬉しかったです。ありがとう。
日本人のディベーターって、海外大会ではすごくありがたい存在です。
安心感の源ですからね。仲良くなっておくべきだと思います。
まぁ、海外の友達をつくるのも大事ですが。

良かったね たくと :)



そんなこんなで、UADCの感想を終わります。
長くなっちゃいましたね。
またどこかで会いましょう。


ICU ♪

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誕生日にブレイクにスピーカープライズ!
最高のマレーシアだったことでしょう :)
その後もたくとはGeminiのGFで大活躍でしたしね、頑張ってます。
Gemniの報告はもうしばらくかかりそうですが、こちらも大御所に感想文をお願いしているのでご期待ください。

明日は初の女性大会、JWDCです!
ICUからは8人のディベーターが参加予定、Co-Chief Adjudicator は我らがみゆきさんです!
楽しみですね。頑張りましょう。

みきでしたー!

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